動物好きは父親譲り?!

子どもの頃、父親が動物好きであったため、犬や猫をよくペットとして飼っていました。秋田犬などの大型犬が多く、怖くて家に入れず、犬が横を向くのを待ってすり抜けて玄関を駆け抜けていたため、単に番犬ぐらいにしか思っていませんでした。猫には引っ掻かれた印象しかなく、仕返しに‘キャット空中三回転’が出来るか階段の上から落としたりし、さらに引っ掻かれるといった具合でした。室内犬としてポメラニアンを飼った事がありましたが、父親にばかり懐き、そこらじゅうに抜け毛がくっつくため、‘汚い奴!’としか思っていませんでした。

 11年前、県立志摩病院に勤務していた頃、雑種の子犬を知り合いから譲り受けて飼ったことがありましたが、当時1歳半の次女が怖がり、大泣きして家中の鍵を掛けまくって部屋に閉じこもってしまったため、1週間で里帰りとなりました。

時は流れて5年前、ひょんな事で黒と白の2匹のトイプードルの赤ちゃんが我が家にやって来ました。まるでぬいぐるみのようであり、子ども達が可愛がっていましたが、部屋の中でおしっこやウンチをするは、うるさく鳴くは、寝ている時のみ可愛いぐらいでした。数か月がたち、少しづつ人も犬もお互いが慣れてきた頃、「どこかの子どもの後を追いかけて歩いていた。」という目撃情報を最後に、白い方が突然失踪してしまいました。その時の家族の悲しさといったら、まるで子どもが誘拐された気分であり、それまで私は鬱陶しく思ってあまり可愛がってこなかった事が悔やまれ、急にペットに対する愛着が湧いてきました。犬は、可愛がってくれる人にはとても懐いてくるもので、家に帰った時には誰よりも早く出迎えてくれるは、食事の時にはおねだりするは、出かける時は悲しそうに眺めて鳴くは、夜になれば早く寝に行こうと誘いに来るは、遅くまで起きていると傍でじっと待ってくれているは、まるで小さい子どもの様です。もちろん寝る時も一緒。1年前には新たにグレーのトイプードルも家族に加わりました。末っ子のためわがままでヤンチャですが、上の子とは違った可愛さがあります。人それぞれといいますが、犬それぞれの性格の違いがとても面白いです。

2匹の娘達をみていると、まるで2人の娘達が小さかった頃にいつも傍にくっついて懐いていた事を思い出します。よく、「子どもがいない人にとってはペットが子どものようだ」といいますが、「ペットは、子どもが一番可愛い時のままでいつまでもいてくれるような存在」だと思います。

最近になって思うことは、子どもの頃に父親がよく犬や猫を飼っていたのは、3人の息子があまり懐かなくロクに話もしなかったためかも知れません。単に動物好きだったのではなく、本当は子ども達が離れていって寂しかったのかも知れません。


H14.3.1


ホームへ