遥かなる飯高路

 〜第三回ハジム・メモリアルデーに参加して〜

    平成175月に発生した松阪市飯高町蓮渓谷の山岳遭難捜索活動を開始する際に倒れられ、同年820日にご逝去された元消防士・飯高山岳救助隊初代隊長 佐々木 一 様の命日に合わせ、氏のボランティア精神を引継いで消防職員有志により山岳遭難並びに同事故防止を目的とするボランティア活動が開始され早三年。今年も810日(日)に第三回ハジム・メモリアルデーが開催されました。

小林副会長と共に    第一回が約100名、第二回目約120名、今年は松阪広域消防、松阪警察、市職員に加え、市民病院スタッフやいざわ山楽会も加わり、女性も多数含め総勢約150名という一大イベントとなりました。今年で3回目となり年々パワーアップする消防・山岳救助隊は、まるで海猿ならず山猿3。もちろん松阪地区医師会も志田幸雄会長、小林昭彦副会長、梅田裕之先生、時田俊一郎 作業療法士、稲垣拓馬 介護ホームヘルパー管理者ならびに昨年同様石田が参加させて頂きました。

  青木昭男救急災害医療担当理事は救急搬送に備え(?)朝から自院にて待機され、志田会長も医療班最高責任者の責務のため(?)救護班として本部に待機。健脚に自信のある梅田先生は中級コースの三峰山に、他の4名は雲ヶ瀬山へ向けいざ出発。

    昨年少しバテ気味になってしまった原因を考え、登山に限らず何事もまずは形から!ゼビオで登山靴とピッケルを新調し、昨年胸ポケットにいれて汗でポシャってしまったサイバーショットにかわり、PENTAXの防水デジカメを購入。昨年購入を断念した遠足には欠かせない都昆布を含め沖縄の塩飴、ミルクキャラメル、アーモンドチョコ、ハイチュウ、小腹が空いた時のためのベビースターラーメン等のおやつをリュックに詰め込んで準備万端。と思いきや、登山当日起きてみればリュックのチャックが空いており、都昆布以外のおやつが無残な姿に!3姉妹の末娘、萌華にやられた!!嫌な予感がよぎるなか、気を取り直して昨夜から冷凍してあった隣の調剤薬局さんからの差し入れの経口補水液OS-1ゼリー4個と、ペットボトルのスポーツドリンク4本、それに弁当を詰め直し、スメールの温泉に入るための着替えも準備して720分に自宅を出発。

  すでに小林副会長は、ニトロをリュックに詰め込んで準備万端。
消防隊員と共の
 
車で高見トンネルを抜け奈良県へ入り、登山道へ向かう道は絶景のため、これだけで気分は満足。木々に囲まれた登山道は時折自然の涼しさも感じられ尾根道の快適な森林浴と思いきや、虫だらけ!!途中、群生するトリカブトも見受けられ自然を満喫しつつ進むと、枝打ちされた木々に苔が生え、そこに転落して横たわれば同一化して発見されないだろうな、などと思いつつ歩を進めました。昭和40年に16歳で亡くなられた少年の追悼碑に黙祷。決して山を甘く見てはいけないことを実感しました。
 1時間程歩いたところで、早めのお弁当タイム。ここでも虫に悩まされ、タオルで弁当箱を隠しながらの虫との格闘。蟻も大きい!!森林浴ならぬ虫浴びに悩まされ続けました。炎天下よりは少し涼しく感じられましたが、やはり暑い。水分補給をしようとするも、重いリュックの中で凍っているOS-1ゼリーやペットボトルは凍ったまま・・・もどかしさを感じつつ、早々と帰路へ向かいました。消化不良に終わって登山口まで戻り、満たされない虚脱感を味わっていると突然の大雨。山猿3の冷静沈着な判断に感服致しました。

  本部である飯高保健センターまで戻ると、消防団はぜゆり分団による冷たいスイカと素麺のお出迎え。先ほど登山口では大雨でしたが、うって変わって真夏の日差し。ところが、すべてのコースが帰って来るや本部も大雨にて解散。予測困難な山の天気に合わせたようなタイムキーパーぶりに、山猿3の‘深いい話’・・・

   重いリュックを担いで飲めなかった恨めしい冷凍飲料水と、消化不良に終わった満たされない中途半端な達成感による脱力感、涼しさを恨めしく思わせる虫の大群。素人には予測が難しい気まぐれな山の天気。今回は学ぶべき事や反省すべき事が沢山ありましたが、これらを心地よい疲れに変えてくれたのは飯高の温泉でした。ビールをおいしく飲むために運動するより、温泉でフ〜というため登山をする。登山と温泉が満喫できる飯高路(もちろん、帰ってビールは飲みますが・・・)。来年は、形だけでなく準備万端ダイエットをして中級コースに挑みませんか? 遥かなる飯高路!

  気分良く帰宅すれば、ぴぴ、ココ、萌華の3姉妹のトイプードルがお出迎え。アーモンドチョコを返せ!その後も都昆布には誰も手をつけていませんでした。                


                                                                                                                                             石田クリニック   石田 亘宏